2012年 1月のニュース記事(最新5件) 2012-01-13311
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2012年01月13日23時56分
1月18日のライブは久々に楽しく演奏できました。 共演者の皆さん、主催者の皆さん、 そして見に来てくださったお客様ありがとうございました。 新年早々と言うことで以前から書きたいと思っていた あの日311の回想を書きます 2011年3月11日金曜日 朝5:00起床 いつもこんなに早く起きるわけではなく今日は仕事で8時までに 山形の天童まで行かなければならず行くまでの時間を考えると 逆算してこの時間に起きなければならなかったわけです。 嫁さんはまだベットでぐっすり・・・と思いきや 目を覚ましてしまったようで 『パパ、今日誕生日でしょう?早く帰ってきてね』 『おー!こんなに早く出るんだからその分早く帰ってくるよ』 『いってらっしゃい。。気を付けてね』 『はいよ。行ってくるね』 まもなく結婚20周年ですがそんな会話をいまだにしておりますが・・ ・・・・・ってそこではなくそうなのです。 私の誕生日は3月11日でございます。 朝早い高速はとても気持ち良いのであります。 郡山から山形までは高速で2時間ちょっと。 本日の仕事のスケジュールは僕の担当しているスーパーチェーンの 天童店ベーカリー改装オープンの立会と取扱説明、その後 現在建設中の新店保原店(福島県北部)の仕上げ工事、引渡しに 向かわなければならないという過密スケジュールでして。 保原店は下請けの設置業者さんが先に行っているので 様子を見て帰らせてもらおうかと思っております。 誕生日だしね。 天童にはほぼ8時に着。 新たに導入してもらった洗浄機の説明をしてオープンの9時まで立会。 特に問題ないようなので予定どおり福島に逆戻り。 途中、先に行っている設置業者に電話 『調子どう?今天童から向かっているよ、昼には着くよ』 『問題ないっす。じゃあ伊藤さん来たら飯行きましょう』 『今日は俺の誕生日だから早く帰してね』 『伊藤さんの誕生日?こりゃ多分何かあって早く帰れないっすよ』 『勘弁してよ。なにもないよ』 以前、もう何年も前の話 栃木県の氏家店の改装工事の時。無事設置工事も完了。 今日は俺の誕生日なので最後のチェックをして とっとと帰りましょうと言った矢先 設置したばかりの新しい冷蔵庫から煙がむくむく・・ 電気工事やさんが単相100Vのところに三相200Vをつなげた おかげで冷蔵庫がショート!!設置したての冷蔵庫はオシャカ。 変わりの冷蔵庫を手配したり届くのを待ってたり 取り付けたりで結局その日帰ったのは翌日12日なんてことが あったりしたからそれを覚えているのでしょう そんなことがそうちょくちょくあってたまるかっての。 まあいつも早く帰りたがる僕に元請が今日は帰れませんよって 釘を刺したつもりでしょうが今日は朝も早かったんだし早く帰るよ! さてそんなこんなで保原町についたのは大体お昼。 保原町とは現在は伊達市に属している福島県北の町 福島市の隣に位置しており、海には面していない内陸の町 『今、保原についたよ。とりあえず飯いこう』 『じゃあ行きますか』 『ちょっと先に美味しそうなラーメン屋さんがあったのでそこで』 ってことでそのラーメン屋へ。 かなり混んでいて最初はカウンターに4人座ったが 席が空いたら大きなテーブルに通してもらった。 ラーメンを頼んで待っている間、携帯で2chを見てると 死んだクジラが大量に鹿島(茨城県)に打ち上げられたとのニュース つい先日おきたニュージランドの地震の前にも死んだクジラが揚がったそうだ。 『おいおい、地震くるぞ!でっかいの!』 『え?来てるじゃないですか。毎日毎日』 『いやいや、今までのラスボスみたいなでかいのだよ』 『伊藤さん、マジですか?なんでわかんですか?』 くじらの話をすると・・・ 『なあ。やばいぞ。』 『やばいっすね』 『あーみそネギラーメン俺の』 『まあ来たら来で死ぬときは死ぬんですから』 まあそうは言った自分も脅かすために言っただけで内心信じちゃおらず 『そうだな。ラーメンうまいねえ ここ』 『味噌がうまいっす』 こう毎日ちゃっこい地震が頻繁にあればだれも驚きはしないよね すると設置業者の若いのがぽつり。。。 『あ。伊藤さんの誕生日なにかあるってもしかして地震っすかね』 そんなことを言ったような言わなかったような・・・ ラーメン屋の雑音と自分がラーメンをすする音でよく聞き取れず 軽く流したような記憶が。。。 ラーメン屋を後にして現場へ。 今日は保原店の引渡し。引渡しの日に仕上げ工事ってのも 邪道ですがこちらの都合でこれで通してきました。 最後の最後に残っているのが配線の天井通し。 通路にある機械のスイッチを作業場内に取り付けるため そのコードを天井を通すという作業。 設置業者の玉木宏似のイケメン遠藤が天井裏に潜り配線作業を 行うがなかなかうまくいかず・・・・ 『まだ線を落とせないの?』 っと親方に聞くと 『なんか天井から下に下ろす際の穴が見つからないみたいで』 『俺が行くか?』 天井によくある正方形の点検口から天井裏に入るのだが 脚立がない。 『あれ?脚立ないの?』 『脚立、電気屋さんから借りたんですけど持って行っちゃった』 『遠藤、降りられないじゃん』 ふと周りを見ると高さ2mくらいの高い金属製の棚を発見 ただ幅が40cmから50cmくらいか・・とにかく薄くて高い感じ。 その棚を点検口の真下に引きずって持っていき 『大友、これ抑えておいて』 もう一人の若い設置業者にその棚を支えさせ上に登る 棚の一番上に乗り点検口に体の上3分の1を突っ込む形になっている 『お・・おおともくん・・ちゃんと抑えていてね、』 この状態で既にグラグラ・・・ 点検口から天井裏に顔をだし懐中電灯で照らすと 悪戦苦闘している遠藤が見えた 『遠藤、大丈夫か?今行くから』 せいの!!っと点検口から天井裏に行こうとしたが体が動かない ああ。。昔は良くこの状態から天井裏に行ったけど あのころと比べて今の体重は・・・・ しょうがない。。。あきらめて・・・ 『遠藤、ここから明かり照らすから頑張ってなあ(情けな)』 『大友、もう抑えなくていいから真下に行ってなにかで叩いて場所を教えてやって』 『手離していいんすか?』 『いいよ』 おおお・・大友が手を話したとたん更にユラユラ・・・ 『もう少し右じゃないか??』 『こっちっすか?見えないっすねえ・・・』 『大友!もっと叩いてみろ。わかるか?遠藤』 キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン 『な??なに』 ああ、今日は引渡しだから店内で消防放送のテストをしているのか? キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン んん!俺の体からも鳴ってい・・・携帯?? ゴーーーーーゴーーーーーーーーーーー かなり低音・・・ベースのE弦より低い・・ DかCか・・いやもっと低い・・しかもこっちに向かって・・くる ゴーーーーーゴーーーーーーーーーーーグーラグラグラグラ ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ ゴーーーーーゴーーーーーーーーーーーグラグラグラグラ 『うwっわあー地震だ』 おおいつもよりちょっと大きいなあ・・すぐ治ま グラグラグラグラグラグラグラグラ ガタン バチャン バリバリ パリーン グラグラ ゴーーーーーゴーーーーーゴーーーーーグラグラグラグラ ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ ゴーーーーーゴーーーーーーーーーーーグラグラグラグラ おおおおおおおお!だんだん強くなってきてる なんでこんな時に・・・・ひーー 乗っている棚が半端なくグラグラ。。。 天井裏に体3分の1を突っ込んでいるので近くにある配管に しっかり捕まりながら耐えていた。。。 そういえば真上にはなにがある・・・ もしかして鉄骨とか・・・今落ちてきたら俺は死ぬ・・・ 上を怖くて見られない・・・ うわああああまた強くなってきた!! 長い長すぎる・・・こんな地震あったことない 本当に地震か?ゴジラ?んなばかな・・・ それにしても棚がたおれん。。信じられん・・素晴らしい まだ治まらない・・・信じられん 遠藤大丈夫か・・・ 治まってきた・・小さくなってきた 今だ!! 手を離し棚からジャンプ!! 痛!!!ぶつけた!!誰もおらん ガチャン 誰か来た? 『あ!伊藤さん』 同じく現場に入っていた別な会社の重川君だ 誰かだ!誰かいた!嬉しい 『おお重川くん!』 『ダイジョブで』 グラグラグラグラグラグラグラグラ グラグラ ゴーーーーーゴーーーーーゴーーーーーグラグラグラグラ ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ ゴーーーーーゴーーーーーーーーーーーグラグラグラグラ うっわまたきた、、なんだこれ!!! さっきまで乗っていた棚に顔だけ突っ込んだ うっわすっげ揺れてる・・・ しかしこれ意味ないな。。まさに頭隠して尻隠さず・・ 天井落ちてきたら死ぬな・・・ 冷蔵庫のなかに隠れるか・・・ っと時間にしてどのくらいなのだろう・・・ かなり長い時間に感じたけど・・・ また少し弱くなったようだ・・ はあはあはあ・・・ すると向こうの方、店内からか・・・ 『エンドーエンドー大丈夫かああ』 『エンドーエンドーイトウさーーーん』 『オモカワーーーー』 は!そうだ!! その声を聞いてわれに戻り・・・ 急ぎ立ち上がり俺が飛び降りてからは地震で踊りまくった 棚を点検口真下に戻し 『遠藤!!大丈夫か降りてこーい』 天井裏に潜んでいた遠藤が点検口から飛び降りるように出てきて 『おおれええ死にたくないっすっよお・・』 大声で僕たちを呼んでくれていた連中も来て 『遠藤大丈夫かあ??』 『早く出よう!!またくるかもしれない』 『早く早く』 バック通路にいた我々は作業場を抜け店内を抜け・・・ 店内がすごい・・・天井が落ちているガラスは割れている・・・ 『伊藤さん早く』 駐車場に避難した。 駐車場にはほとんどの人が居てどうやら残っていたのは 我々3人だけだったようだ。 『ラジオつけて』 近くにある車のラジオをつけボリュームを最大にした。 震源は宮城沖、マグニチュード8.9 『また揺れてるぞ。。おおお』 『トラック見て』 駐車場に止まっているトラックがグラングラン 『電信柱危なくねえか??』 電信柱もグラングラン。。 よく見ると駐車場は地割れもすごく地震の凄まじさを物語っている 家はどうなったろう。。嫁さんは仕事中か? 子供たちは学校・・・大丈夫だろう 家族の心配はほとんどなかった。。 絶対大丈夫と信じていたから。ただ テレビが倒れてしまったかな・・もしかして家が倒壊なんて 『ああーーあ。。せっかく今日が引渡しだってのによ・・・』 『店んなかぐちゃぐちゃだなあ』 『それにしても遠藤、、怖かっただろう??』 『こ!怖いなんてもんじゃありませんよ。間違いなく死ぬ 思いましたし』 『ははは、タイミング悪く天井裏だもんな』 『ダクトに捕まってたら真上に鉄骨があってこれが落ちたら俺死ぬなっと思ってました』 俺と同じこと考えてたか・・・ 『あ!!伊藤さん今日地震あるって言ってました飯の時』 『そうそう!しかもラスボス並みのって』 『マジで?』 あ・・・そういえば・・ 『しかも誕生日だし・・・』 『やはりなにかあるんだなあこれが・・うわあ。また揺れた』 『見てみなよ。あそこの家、瓦屋根全部落ちてるよ』 冗談半分で言ったことが当たってしまった。。 こわいこわい。。。 『ここって海に近くないですよね』 『海はここから50km以上あるよ』 『じゃあ津波の心配はないですね』 するとメールが。。。 嫁さんからだ・・・ 『こちらは4人とも無事だよ。お父さん大丈夫?』 なんかこのメール見たら涙がどどっと出てきた 『大丈夫。安心して』 っと返事を返した。 『皆さん、集まってください』 現場管理をしている内装関連の方が声をかける 『今日、これでは仕事にならないと思います。既存店の対応の方が忙しくなると思いますので今日はここで解散にしましょう。このお店も今日は閉めます』 設置業者の親方に 『じゃあ今日は帰ろう。北茨城の家は大丈夫?』 『今メールがあって向こうもすごかったみたいで家にヒビが入っちゃった嫁さんからメールきました。』 『じゃあ今日はもう帰ろう。遠藤もひどい目にあったしな』 『はい・・』 皆に挨拶をして車に乗り込み家路をいそいだ。 あれ以来、家族とはまったくメールも電話もつながらない 国道4号線までは多少は混んだが意外とスムーズだった。 しかし国道4号は大渋滞。信号がすべて消えている・・・ 途中携帯でテレビを見るとなんと仙台空港に津波が!! ま!まじかよ!! FMでもひたすら 『高い建物には近づかないでください。安全な場所に避難してください。まず避難してから火の始末をしてください』 の繰り返し。 このまま4号線に並んでいてもまったく進まない 右折して福島市の街中にむかう。 街中は完全に停電状態で信号がすべて消えている。 よほど注意しないと事故にあう。街中を無理に走りようやく 国道13号線にでる。 このまま13号を家とは逆方向だけど山形方面に向かう その先には福島飯坂という高速インターがあるからだ。 もしかしてもしかして。 福島市から少し離れたあたりで信号機が付いていた。 赤信号で止まっているとまたものすごい地震。。。 車がひっくり返るのかと思うほどの揺れだ。 となりの車はと見ると・・・女性が2人 あんまり驚いていない様子。。。 揺れに慣れてしまったのか恐怖で無表情なのか・・・ 13号は混んではおらず更に走らせると福島飯坂インターに。。 やはり閉鎖。そりゃそうだろう。 左に曲がり田舎道のフルーツラインへ。 ここも混んではいない。 でもこのまままた4号線に戻ると渋滞が待っている。 ここを右に曲がれば土湯街道。温泉街がある山道だ。 間違いなく混んでいないだろうが。。。今は危険だろう!こんな道 しょうがなく4号線まで戻る。 渋滞にはまったが福島市を抜けた途端道はガラガラ・・・ なんなんだ・・まあいい。時間は既に夜の9時 保原を出たのが3時半ころだからかれこれ5時間半もさ迷っている ようやく郡山に着く。息子から電話が! 『今どこ?』 『おーよくつながったな』 『なんか僕のだけつながるんだよね』 『なんか無いものあるか?買ってくよ』 『水が出ないから水。あとご飯も炊けないので食べ物だって』 『了解!』 街は真っ暗・・・セブンイレブンがあったので入ると・・・ なにもなし・・・既になにもない 余っているのはデザート類。たしかに今はいらない そのあと何軒か回ったがどこも同じような感じ 弁当類、カップヌードル、オニギリなどは一切なし。。 で何件目かで廻ったファミリーマートでようやく カップヌードルを見つけたので4個すべて購入。 あとは水。。。水が欲しい・・・ っと飲料関連のショーケースの奥にミネラルウオーターが見える ああ!!店員さんに 『あれミネラルウオーターですよね。売ってくださいよ』 『いいんですけど。。。見てください』 ショーケースの奥に通してもらうと。。。なんと 飲料品がすべて倒れて足の踏み場が無い状態 その奥にさきほど見かけたミネラルウオーターがあるわけで。 『お客さんで取れるのならいいですよ』 『わかりました!』 結局、足を使わず棚を使って腕だけで進んで取ればいいわけね 言うほど簡単ではありませんでしたが無事ミネラルウオーター4本ゲット!! 『とりました』 『すごいですね!!』 そんなこんなで無事買い物も済ませ家に帰ってこられました。 家は無事でテレビも倒れておらず一安心 当然、家族全員無事であり改めてほっとしたわけであります。 『雛人形が倒れちゃったくらいでほかは全然平気だったよ』 『せっかくの誕生日だったんだけど今日はカップヌードルだね』 テレビを見ると津波でとんでもない被害が出ているのを知り絶句しました。 仙台の海辺に100近くの死体が上がっているとかとても考えられない 出来事が起きていることに言葉が出ませんでした。 こんな大災害の中、ほとんど被害に合わず本当によかったね と話しておりました。 そのときはまだ知りませんでした。 ものすごい近くでものすごいことが起きていることに。。。 news article by イトウシンイチ |
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